01.はじまり |
「踊っていただけませんか、お嬢さん。」 「は?」 初めて訪れた舞踏会で、壁の花と化していた下級貴族の娘・ビズに声を掛けてきたのは――…。 伯爵家の放蕩息子として名高い男・クラ。 「……申し訳ありませんが、わたくしではクラ様のお相手は役者不足でございますわ。」 「ご謙遜を。」 クラがビズに向けてにっこり微笑む。 何故かその笑顔にビズはぞくりと背筋が震えた――。 これが、全てのはじまり。 |
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